ヤマハ ZG01の評判は、ゲーム配信者の間でおおむね高い水準にあります。2022年6月1日に発売されたこのゲーム配信専用オーディオミキサーは、メーカー希望小売価格31,900円という決して安くない価格設定ながら、HDMI入力2系統とHDMI出力1系統を搭載した独自設計が他社製品との明確な差別点になりました。PS5やNintendo SwitchをPCを経由せずに直接接続できる点、ヤマハ独自のバーチャルサラウンド技術ZG SURROUND、デュアルチャンネル機能による配信とボイスチャットの音声分離など、ゲーム配信に必要な機能を一台に集約した設計が支持を集めました。
本記事では、ZG01の評判をユーザーの口コミとスペック両面から整理します。さらに、2024年発売の後継機ZG02との違い、同社の人気モデルAG03MK2との比較、購入を判断する基準までを解説します。執筆基準日は2026年7月1日です。
ZG01の評判はゲーム配信者から好意的な意見が大勢を占める
ZG01の評判を口コミから読み解くと、肯定的な評価が大勢を占めています。発売から4年が経過した時点でも、ゲーム配信特化のミキサーとしてこのレベルの完成度を持つ製品は他にないと評価するユーザーが多いのが特徴です。
肯定派の声で特に多いのは、複数の機材を一台にまとめられたことによるデスク周りの整理、ヤマハの音響処理技術によるサウンド品質、配信とボイスチャットの音声分離が直感的に行える点の3点です。具体的には「ゲーム機もPCもこれ一台でまとめられて、机の上がスッキリした」「ZG SURROUNDで足音の方向がはっきりわかるようになり、FPSのゲームプレイが向上した」「OBSとDiscordの音声分離設定がZG01のデュアルチャンネル機能でかんたんに解決できた」といった声が代表的です。
一方で批判的な意見もあります。「ゲームのキャプチャーはできないのでキャプチャーボードも別途必要で、結局コストがかかる」「特定の環境で音切れが発生し、解決に手間がかかった」「専用アプリの操作性がもう少し改善されると使いやすくなる」といった指摘がそれです。これらの不満点は後段で詳しく扱います。
総じて、ZG01は価格に対して機能の集約度が高く、配信を本気で組み立てたいユーザーから評価されている設計だと言えます。
HDMI入力2系統と出力1系統がZG01最大の差別化要素
ZG01がオーディオミキサーとして異例なのは、HDMI端子を入力2系統と出力1系統で備えている点です。背面に配置されたHDMI入力にはPS5やNintendo Switchをそのまま接続でき、出力はパススルー仕様でディスプレイやキャプチャーボードに映像を遅延なく送ります。
通常、ゲーム機の音声をPCに取り込んでミキシングするためにはキャプチャーボードを介する必要があります。ZG01ならHDMI経由でゲーム機の音声を直接ミキサーに入力し、ヘッドホンで聴きながら音量を調整できます。映像と音声の処理を一台に集約できるため、配信環境の構築がシンプルになります。
入力が2系統あるため、ZG01はHDMIスイッチャーとしても使えます。PS5とNintendo Switchを同時につないでおき、本体のボタンで切り替える運用が可能です。ゲームごとにHDMIケーブルを差し替える手間が消えるため、複数のゲーム機を使い分けるユーザーから高い支持を得ています。
HDMI接続での音声はステレオ2ch、24-bit/48kHzに対応し、5.1chや7.1chのサラウンド音声が入力された場合はZG01内部でバーチャルサラウンドに変換します。一方で映像のキャプチャー機能は搭載されていないため、ゲーム録画や配信には別途キャプチャーボードが必要です。この点は購入前に必ず確認しておくべき仕様です。
ZG SURROUNDの立体音響がFPS配信者から支持されている
ZG SURROUNDは、HRTF(頭部伝達関数)を活用したヤマハ独自技術ViReal Technologies for headphonesをゲーム向けにチューニングしたバーチャルサラウンド機能です。通常のステレオヘッドホンでも最大7.1chのゲーム音声を立体的に再現します。
シューティングゲームでは敵の足音の方向や距離感を正確に把握できるため、ゲームプレイの精度向上に直結する機能としてFPSプレイヤーが評価しています。FPSタイトルでZG01を導入してから戦績が変わったというユーザーの声は、口コミでも頻出する内容です。
設計上の特徴として注目したいのは、ZG SURROUNDで処理された立体音響がそのまま配信にも反映される点です。配信視聴者がヘッドホンやイヤホンを使っていれば、配信者が体験している立体音響を視聴者側でも体感できます。配信の没入感を視聴者と共有できる点は、配信特化ミキサーならではの特徴と言えます。
ただし、ZG SURROUNDはヘッドホン使用時に最大の効果を発揮する設計のため、スピーカー再生には向きません。HDMI入力の音声がステレオの場合と、サラウンドの場合では処理内容が変わるため、ゲーム機やゲーム側の音声設定によって体感の差が出ることもあります。導入時は接続するゲーム機の音声出力設定を確認しておくと、効果を引き出しやすくなります。
デュアルチャンネル機能で配信とボイスチャットの音声分離が完結する
ZG01の評判を押し上げているもうひとつの機能が、デュアルチャンネル機能です。専用ドライバーをPCにインストールすると、ZG01は2台の独立したオーディオデバイスとしてPCから認識されます。
この仕組みを使うと、Channel 1にDiscordなどのボイスチャットアプリ、Channel 2にOBSなどの配信アプリを別々に割り当てられます。具体的には、Channel 1にはマイク音声のみを送ってボイスチャット相手にクリアな自分の声を届け、Channel 2にはマイク音声とゲーム音声とBGMをミックスして配信視聴者に届けるという運用が可能です。
従来、この音声分離は複数のオーディオデバイスや仮想ミキサーを組み合わせなければ実現できませんでした。ボイスチャット相手にゲームのSEがうるさく聞こえる、配信視聴者には音が一本化されて聞こえにくい、といった問題は配信者を長年悩ませてきた課題です。ZG01一台でこの設定が直感的に組めるようになった点は、配信を本格的に行うユーザーが根強く評価しています。
専用アプリYamaha ZG Controllerの「STREAMING OUTPUT MIXER」機能を使えば、配信に送るマイク音声・ボイスチャット音声・ゲーム音声のバランスをそれぞれ細かく調整できます。視聴者が聞きやすいミックスを作り込めるため、配信の質を高めたいユーザーには欠かせない機能です。
FOCUS MODE/EQとボイスエフェクトで配信の音作りに幅が出る
FOCUS MODE/EQは、ゲームの種類やプレイシーンに合わせてゲーム音声の音質を最適化する機能です。EQやリバーブなどのエフェクトがプリセットとして用意されており、ボタン操作でゲームタイトルやシーンに応じた音響設定に切り替えられます。
たとえばFPS系ゲームでは足音などの環境音を強調する設定、RPGでは全体的に豊かな音響再現を優先する設定といった使い分けが可能です。自分のキャラクターが発する操作音や攻撃音を抑え、相手の動作音に集中できるよう調整することもできます。これらのプリセットはYamaha ZG Controllerから細かくカスタマイズでき、自分好みの設定を保存しておけます。
ボイスエフェクト機能も配信演出の幅を広げる要素です。ボイスチェンジャーで声の高さや質感を変える、無線やラジオ越しの音声のような加工をかける、放送規制音(ピー音)をリアルタイムで重ねる、ワンタッチエコーで残響を加えるといったエフェクトが使えます。
本体前面には3つのプリセットボタンがあり、任意のエフェクト設定を割り当てておけます。通常配信はエフェクトなし、特定シーンではラジオボイス、ネタ用にビープ音、といった切り替えを配信中にワンタッチで行えます。配信中の演出を凝ったものにしたい配信者には、この機能だけでも導入価値があると評価するユーザーがいます。
XLR端子と+48Vファンタム電源でコンデンサーマイクが使える
ZG01の入力端子の構成も評判を支える要素です。前面にはマイク入力用のXLRコンボ端子を1系統、マイクやヘッドセット入力用の4極3.5mmミニジャックを1系統備えています。背面にはヘッドセット入力用の4極3.5mmミニジャック、HDMI入力2系統、PC接続用のUSB Type-C、AUX入力が並びます。
XLR端子は+48Vファンタム電源に対応しており、本体のボタンを長押しすることでON/OFFを切り替えます。これによりプロ用途のコンデンサーマイクをZG01だけで駆動できます。エントリークラスのミキサーではファンタム電源非対応の製品も多いため、コンデンサーマイクで配信したいユーザーにはこの仕様が購入動機になっています。
マイクゲインは最大+52dBで、出力の小さいダイナミックマイクでもある程度のレベルまで持ち上げられます。AUX入力にはスマートフォンをつないでBGMをミックスする運用も可能で、4極ミニジャック対応のためスマートフォン側の接続も容易です。
注意したいのは、ZG01に直接接続できるのはXLRまたは3.5mmミニジャック対応のマイクのみという点です。現在広く普及しているUSBマイクをZG01経由で使う場合は、変換アダプターを別途用意する必要があります。
ZG01の弱点は音切れの報告と専用アプリの動作
評判を整理する上で避けて通れないのが、ZG01の弱点に対する指摘です。実際の使用報告から繰り返し挙がる不満点は、おおむね5つに集約できます。
1つ目はUSBマイクを直接使えない点です。前述のとおりXLRと3.5mmミニジャックにしか対応していないため、所有しているマイクがUSBのみの場合は変換が必要です。
2つ目はヘッドホンとスピーカーの同時出力ができない点です。ヘッドホン出力端子が1系統のみで、デスクトップスピーカーと同時に鳴らす運用には対応していません。配信中はヘッドホン、配信していないときはスピーカーといった切り替えは可能ですが、同時利用には別途出力分配の工夫が必要です。
3つ目はキャプチャー機能を持たない点です。HDMI端子を搭載しているのに映像の録画や配信用キャプチャーはできません。ゲーム映像を配信に乗せる場合は、別途キャプチャーボードが必要です。「HDMIがあるから映像も配信できる」と誤解して購入し、後からキャプチャーボード代がかかると気づくケースは口コミにも見られます。
4つ目は一部環境で音切れが発生するという報告です。特定のPC環境やドライバーバージョンとの相性問題で発生する事例があり、ドライバーの最新バージョンへの更新やUSB接続の見直しで改善するというのが多く報告されている対応策です。USBハブ経由ではなくPCのUSBポートに直接つなぐと安定するケースが多いようです。
5つ目はYamaha ZG Controllerの動作が重いと感じることがある点です。特定の操作でレスポンスが遅く感じる、設定作業に時間がかかるという声が一部にあります。設定変更は時間に余裕を持って行うのが現実的な対応です。
ZG01とZG02の差はHDMIの有無と8,800円の価格差
2024年に発売された後継モデルZG02との比較は、ZG01購入を検討する人にとって最も重要な判断軸です。両機の主な違いを表で整理します。
| 項目 | ZG01 | ZG02 |
|---|---|---|
| メーカー希望小売価格 | 31,900円 | 23,100円 |
| HDMI端子 | 入力2系統+出力1系統 | なし |
| サイズ | 幅195mm × 高さ47.5mm × 奥行110mm | ZG01より幅約33mm小さい |
| 重量 | 約0.5kg | ZG01より約0.2kg軽量 |
| マイクゲイン | +52dB | +50dB |
| ゲーム機接続 | HDMI直接接続が可能 | USB Type-Cのみ |
価格差は8,800円で、ZG02のほうが安く、設計はコンパクトです。一方で、ZG02にはHDMI端子がありません。PS5やNintendo Switchを直接接続したいユーザーにとっては、この一点だけでZG01を選ぶ理由になります。
PCゲームが中心で、ゲーム機の接続はUSBで済むユーザー、デスクスペースを節約したいユーザー、コストを抑えたい初中級者にはZG02が向きます。コンシューマーゲーム機をHDMIで直接ミキサーに取り込みたいユーザー、HDMIスイッチャーとしても活用したいユーザー、映像パススルーを使いたいユーザーはZG01一択です。
Nintendo Switch 2のような新型ゲーム機との接続でも、ZG01のHDMI入力は引き続き有効に使えます。HDMI接続が必要かどうかが、ZG01とZG02を分ける最大の選択基準と言えます。
ZG01とAG03MK2はゲーム機接続の必要性で選ぶ
ヤマハの配信向けミキサーとしては、ZGシリーズのほかにAG03MK2というモデルも人気があります。ZG01とAG03MK2はどちらもヤマハ製ですが、設計思想がまったく異なるため、用途に応じた選択が必要です。
AG03MK2は、もともと音楽配信やライブ配信全般向けに設計されたオーディオインターフェース兼ミキサーです。マイクの種類を選ばない柔軟な入力対応とiOSデバイスとの接続性が強みです。一方でHDMI端子は搭載されておらず、コンシューマーゲーム機との直接接続には対応していません。
ZG01はゲーム機接続を前提としたHDMI端子と、ゲーム音声向けに最適化されたDSPエフェクト(ZG SURROUNDとFOCUS MODE)が最大の差別点です。PCとゲーム機の音声を同一のグランドに通さない設計のため、ゲーム機接続時のグランドループによるノイズ問題が起きにくい構造になっています。
PC中心の配信で、ゲーム音声もすべてPCから出力するスタイルなら、汎用性に優れたAG03MK2が向くケースもあります。コンシューマーゲーム機をHDMIで接続したい、またはゲーム特化のDSP機能を活用したい配信者には、ZG01のほうが明確に適しています。配信スタイルと使用機材を整理した上で選ぶのが現実的です。
ZG01 042はNieR:Automata Ver1.1aとのコラボモデル
ZG01にはコラボレーションモデルもあります。代表的なのが「ZG01 042」で、アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』とのコラボ仕様です。ライトグレーのボディカラーが特徴で、ゲームファンのコレクターズアイテムとしても注目されました。
スペックや機能面は標準のZG01と同等ですが、デザインの差別化から人気が高く、流通量が限られる時期にはプレミア価格がつくこともあります。NieR:Automataシリーズのファンで、デザインにこだわりたい配信者には選択肢のひとつになります。
なお、ZG01単体のほかに、同社のゲーミングヘッドセットYH-G01とのセット品「ZG01 PACK」も同時発売されており、音声環境をまとめて整えたいユーザー向けのラインナップも用意されています。
ZG01の初期セットアップと使いこなしのコツ
ZG01の初期セットアップは、それほど難しくありません。手順はおおむね次の流れです。まずZG01をUSBケーブルでPCに接続し、ヤマハ公式サイトから専用ドライバーとYamaha ZG Controllerをダウンロードしてインストールします。その後ゲーム機・マイク・ヘッドホンをZG01につなぎ、WindowsまたはmacOSのサウンド設定でZG01を入出力デバイスとして指定します。最後にOBSやDiscordといった配信・通話アプリでZG01の各チャンネルを入出力に設定し、Yamaha ZG Controllerでエフェクトやミキサーをカスタマイズします。
ヤマハ公式サイトでは「ZG01簡単セットアップ診断」というガイドツールが提供されています。使用機材や用途を入力すると最適な接続方法とセットアップ手順を案内してくれるため、初めて本格的なオーディオ機器を扱う人でも安心して導入できます。
使いこなしのコツとして、マイクゲインはYamaha ZG Controllerのメーターを見ながら、声を出したときに-12dBから-6dB程度に収まるよう調整するのが基本です。本体前面の3つのプリセットボタンには、よく使うエフェクト設定を登録しておくと配信中の切り替えが楽になります。たとえば「通常配信用」「エコーあり」「ラジオボイス」のように用途別に登録しておくと、配信中に素早く切り替えられます。ファームウェアは定期的にバージョンアップされるため、Yamaha ZG Controllerから最新版を確認しておくのが推奨です。
コンデンサーマイクを使う場合は、XLR端子に接続したあとに本体のファンタム電源ボタン(48V)を長押しでONにします。ダイナミックマイクにファンタム電源を送ると故障する可能性があるため、マイクの種類を確認してから操作することが重要です。バスパワー給電の関係上、電力供給が不安定なUSBハブ経由での接続はトラブルの原因になることがあるため、できるだけPCのUSBポートに直接つなぐようにします。
ZG01が向くユーザーと向かないユーザーの判断軸
ZG01の評判を踏まえると、推奨できるユーザー像は明確に絞り込めます。PS5やNintendo Switchなどのゲーム機をPC経由ではなく直接ミキサーに接続したい人、複数のゲーム機を切り替えて使うのでHDMIスイッチャー機能が欲しい人、ゲーム音声をバーチャルサラウンドで楽しみたい人、配信とボイスチャットに別々の音声を送りたい人、コンデンサーマイクを使いたい人、ヤマハの音響処理技術をゲーム配信に活用したい人。これらに該当するなら、ZG01は2026年7月時点でも有力な選択肢のひとつです。
一方で、PCゲームしかプレイしないユーザーにはHDMI機能が過剰です。費用を抑えたい初中級者や、机のスペースを節約したいユーザーは、後継機ZG02のほうが適しています。USBマイクをすでに所有していて他のマイクを買う予定がない人も、変換アダプターを介する手間とコストを考えると別製品を検討する余地があります。
評判の高さに引きずられて勢いで購入するのではなく、自分の配信スタイルと所有機材を一度棚卸ししてから判断するのが、ZG01を活かす近道です。
まとめ
ヤマハ ZG01の評判は、ゲーム配信特化のミキサーとしておおむね高評価で定着しました。HDMI端子による複数ゲーム機の直接接続、ZG SURROUNDによる立体音響、デュアルチャンネル機能による配信とボイスチャットの音声分離、コンデンサーマイク対応のXLR端子といった要素が、価格31,900円に見合う価値として支持されています。
弱点として、USBマイク非対応、ヘッドホンとスピーカーの同時出力不可、キャプチャー機能なし、一部環境での音切れ、専用アプリの動作の重さといった指摘もあります。いずれも事前に把握しておけば運用で回避できる範囲です。
後継機ZG02との比較で迷う場合、HDMI端子の必要性が判断の決め手になります。コンシューマーゲーム機を中心とした配信環境を構築したいなら、ZG01は2026年7月時点でも検討する価値のある製品です。








