エプソン PX-M887Fは、印刷速度・耐久性・多機能性のいずれにおいても高い評判を得ているA4カラービジネスインクジェット複合機です。2022年11月10日に発売されたこの製品は、エプソン独自のPrecisionCoreプリントヘッドとHeat-Free Technologyを搭載し、カラー・モノクロともに約25ipmの高速印刷と30万ページの耐久性を実現しました。口コミではプリント品質の高さや省エネ性能が特に評価されている一方で、純正インクの価格に対する不満の声も見られます。この記事では、エプソン PX-M887Fの評判を実際のユーザーの口コミや製品スペックをもとに詳しく解説し、導入を検討している方が判断に必要な情報をお届けします。
エプソン PX-M887Fとは?製品の基本情報と評判の背景
エプソン PX-M887Fは、プリント、コピー、スキャン、FAXの4つの機能を1台に集約したA4カラービジネスインクジェット複合機です。エプソンのA4ビジネスインクジェットプリンターとしては約7年ぶりのモデルチェンジとなった製品であり、前モデルから大幅な進化を遂げたことが評判の背景にあります。
エプソンダイレクトショップでの販売価格は49,500円(税込)で、価格比較サイトでの最安値は41,119円(税込)前後となっています(2026年3月時点)。ビジネス向け複合機としては手頃な価格帯に位置しており、コストパフォーマンスの面でも好意的な評判を集めています。
なお、姉妹機種としてFAX機能を省いた単機能プリンター「PX-S887」も同時に発売されています。FAX機能が不要な場合はPX-S887を選ぶことで、さらにコストを抑えることが可能です。
PX-M887Fの基本スペックを以下の表にまとめました。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品カテゴリ | A4カラーインクジェット複合機 |
| 対応機能 | プリント、コピー、スキャン、FAX |
| インク色数 | 4色(顔料インク) |
| 最大印刷解像度 | 4,800×1,200dpi |
| 印刷速度 | カラー約25ipm、モノクロ約25ipm |
| ファーストプリントタイム | カラー約5.3秒、モノクロ約4.8秒 |
| 自動両面印刷 | 対応 |
| 操作パネル | 4.3インチタッチパネル |
| 耐久枚数 | 30万ページ |
| 本体サイズ | 425×535×357mm(収納時) |
| 重量 | 約17.1kg |
エプソン PX-M887Fの評判が高い理由は印刷性能と速度にある
エプソン PX-M887Fの評判が高い最大の理由は、ビジネスシーンで求められる印刷性能を高い水準で実現している点にあります。カラー・モノクロともに約25ipmという印刷速度は、A4ビジネスインクジェットプリンターの中でもトップクラスです。
ファーストプリントタイムはカラーで約5.3秒、モノクロで約4.8秒となっており、電源を入れてからすぐに印刷を開始できます。レーザープリンターのようなウォームアップ時間が不要なため、急ぎの印刷にもストレスなく対応できる点がユーザーから高く評価されています。
印刷品質についても、最大4,800×1,200dpiの高解像度に対応し、普通紙でも600dpiのきめ細かい印刷が可能です。細かい文字や設計図などの細線もくっきりと鮮明に印刷でき、ビジネス文書の印刷においてはレーザープリンターに匹敵する品質が得られるという口コミもあります。
PX-M887Fの口コミで評価されるPrecisionCoreとHeat-Free Technologyの実力
PX-M887Fの高い評判を支えているのが、エプソン独自のPrecisionCoreプリントヘッドとHeat-Free Technologyです。この2つの技術が、印刷速度、省エネ性能、耐久性のすべてに貢献しています。
PrecisionCoreとは、エプソン独自のMEMS(微小電気機械システム)技術を活用し、複雑な部品構成をオールインワンのチップ設計に統合した技術です。このチップに搭載されたピエゾ素子は、インクの吐出に熱を使用しません。微小な電流を流すことでピエゾ素子を変形させ、1秒間に最大4,000万もの精密なインク滴を紙面上に吐出する仕組みとなっています。
Heat-Free Technologyとは、文字通りインクの吐出に熱を使わない技術のことです。レーザープリンターやサーマル方式のインクジェットプリンターでは、トナーやインクを紙に定着させるために高温の熱を使用します。PX-M887Fはピエゾ方式を採用しているため、印刷ヘッドのウォームアップが不要です。
この技術がもたらすメリットは大きく3つあります。第一に、ウォームアップ時間が不要なため電源投入後すぐに印刷を開始できることです。第二に、TEC(標準消費電力量)が0.18kWhと極めて低く、消費電力を大幅に抑えられることです。第三に、熱を使わないためプリントヘッドの劣化が少なく、長期にわたって安定した印刷品質を維持できることです。この第三の点が、30万ページという高い耐久性の実現にもつながっています。
さらに、PX-M887Fにはプリントヘッドのドット抜けを印刷ジョブごとに自動的に検知し、画質を調整する機能も搭載されています。長期間使用してもムラのない安定した印刷品質を保てる点が、口コミでも安心材料として評価されています。
エプソン PX-M887Fの給紙性能と用紙対応についての評判
PX-M887Fは、大容量の給紙性能と幅広い用紙対応力でも評判を得ています。標準給紙カセットには250枚、手差しトレイには80枚の用紙をセットでき、標準状態での給紙容量は合計330枚です。
オプションの増設カセットユニット「PX4CU4」を最大3段まで装着することが可能で、すべて装着した場合はカセット4段と手差しトレイを合わせて最大1,980枚の大容量給紙が実現します。大量の印刷を日常的に行うオフィスでも、頻繁に用紙を補充する手間を軽減できる点は、業務効率の面で高い評価を受けています。
対応する用紙サイズも幅広く、用紙カセットではA4からA6、リーガル、レター、エグゼクティブなどに加え、ハガキ、往復ハガキ、洋形封筒1号から4号、長形封筒3号・4号にも対応しています。ビジネスで使用頻度の高い封筒印刷にも柔軟に対応できる点は、事務作業が多いオフィスにとって大きなメリットです。
手差しトレイを使用すれば、垂れ幕や横断幕に使う長尺用紙への印刷も可能です。最小幅64mmからの用紙に対応しているため、プライスカードなどの小型印刷物も簡単に作成できます。また、160g/m2までの厚紙も用紙カセットから給紙可能であるため、プレゼン資料やPOPの作成にも活用できます。小売店やサービス業のオフィスにとって大変便利な機能として評判です。
PX-M887Fのスキャン・コピー・FAX機能の評判と使い勝手
PX-M887Fは複合機としての多機能性でも高い評判を得ています。スキャン、コピー、FAXのそれぞれの機能が充実しており、1台でオフィスの業務を幅広くカバーできます。
スキャン機能の評判
PX-M887FにはADF(自動原稿送り装置)が搭載されており、ADFを使用した場合のスキャン速度は24ipmです。大量の書類を高速にスキャンでき、ペーパーレス化の推進に貢献します。
スキャンしたデータは、プリンター本体の4.3インチタッチパネルからさまざまな方法で出力・送信できます。「スキャン to PC」機能ではネットワーク上のPCに直接データを転送でき、「スキャン to メール」機能ではスキャンした文書をメールの添付ファイルとして直接送信できます。「スキャン to フォルダー」機能では社内の共有フォルダーにスキャンデータを保存でき、チーム内での情報共有がスムーズになります。これらの機能はすべてプリンター本体から操作でき、PCを起動せずにスキャン作業を完結させることが可能です。
さらに、スキャンしたデータをクラウドサービスに直接送信する機能も備えています。対応するクラウドサービスにはEvernote、Google Drive、Dropbox、Box、OneDrive、SharePoint Onlineなどがあり、場所を問わずデータにアクセスできる環境を構築できます。
コピー機能の評判
コピー機能は、シンプルな操作性と多彩なコピーモードが特長です。急ぎのコピーが必要な場合には割り込みボタンを押すことで、現在進行中のジョブを一時中断し優先的にコピーを行うことができます。
コピーモードとしては、免許証や保険証などのカード類を表裏1枚の用紙にまとめてコピーできるIDカードコピー、原稿の影を除去してきれいにコピーする影消しコピー、パンチ穴の跡を消してコピーするパンチ穴消しコピー、2ページ分の原稿を1枚にまとめる2in1コピーが用意されています。受付業務や事務処理など、さまざまなビジネスシーンで重宝する機能です。
FAX機能の評判
PX-M887Fの大きな特長のひとつが充実したFAX機能です。1本の電話回線で電話とファクスの自動切り替えが可能であり、ファクス信号を検知した場合は自動的にファクス受信に切り替わります。
「見てからファクス送信」機能では、送信前にスキャンした画像をタッチパネル上で確認でき、送信ミスを防止できます。「見てからファクス印刷」機能では、受信したファクスの内容を確認してから印刷するかどうかを判断でき、不要なファクスの印刷を防いで用紙とインクの節約につながります。
PC-FAX機能にも対応しており、PCから直接ファクスの送受信を行うことが可能です。利用には「FAX Utility」ソフトウェアのインストールが必要ですが、送信したデータは履歴として保存でき、指定したフォルダーへの自動保存やメール送信にも対応しています。また、LDAPサーバー上のアドレス帳から宛先を検索して指定できるため、大規模なオフィスでも宛先管理が容易です。
エプソン PX-M887Fのセキュリティ機能とネットワーク対応の評判
ビジネス用途の複合機にとってセキュリティ対策は重要な評価ポイントですが、PX-M887Fはこの点でも充実した機能を備えています。
管理者パスワードの設定により、本体設定やネットワーク設定が第三者から不正に参照・変更されることを防止できます。IPsec(IP Security)に標準対応しており、IPパケット単位で暗号化通信を行うことでデータの盗聴や改ざんを防止します。IEEE 802.1X認証にも対応しているため、正しい機器であることが認証されない限りLANネットワークに参加できない仕組みとなっています。
管理者権限で無線LANを無効にする機能も備えており、ネットワークセキュリティの方針として無線LANの使用を禁止しているオフィスでも安心して導入できます。SNMPv3にも対応し、ユーザー認証機能やデータ暗号化機能によってネットワーク機器の情報を安全に管理できます。
接続方法としては、Hi-Speed USBと有線LAN(イーサネット)による有線接続に加え、無線LAN(Wi-Fi 5)によるケーブルレスでの接続にも対応しています。スマートフォンダイレクト接続にも対応しており、Wi-Fiルーターを介さずにスマートフォンやタブレットから直接印刷を行うことが可能です。
クラウドサービスについては、エプソンの「Epson Connect」に対応しており、リモートプリントドライバーを使用してインターネット経由で離れた場所から印刷指示を送ることができます。Microsoft社の「ユニバーサル プリント」にも対応しているため、プリンタードライバーのインストールやネットワーク設定の変更なしにさまざまな環境から簡単に印刷できます。テレワークやハイブリッドワークが普及した現在のビジネス環境において、非常に有用な機能として評判です。
ネットワーク管理面では、「EpsonNet Config SE」によりネットワーク上のプリンターをPCからリモートで設定・管理でき、SNMPにより印刷総枚数やエラー情報の収集も可能です。IT管理者にとって運用の負担を軽減できる点も好評です。
PX-M887Fのインク代とランニングコストについての口コミ
PX-M887Fの評判において、唯一やや厳しい声が集まっているのがインク代に関する部分です。純正インクの価格が比較的高いため、大量印刷を行うオフィスではランニングコストが気になるという口コミがあります。
PX-M887Fは4色の顔料インクを使用しています。顔料インクは普通紙への定着性に優れており、文字がにじみにくく、蛍光マーカーでラインを引いても文字が流れない特性があります。ビジネス文書の印刷に最適なインクタイプです。
使用するインクの型番は「IP11」シリーズで、IP11A(標準容量)とIP11B(大容量)の2種類が用意されています。純正インクを使用した場合の印刷コストは、A4カラー1枚あたり約8.7円、A4モノクロ1枚あたり約2.7円です。レーザープリンターと比較しても競争力のある印刷コストとなっています。
大容量タイプのIP11Bを使用することで1枚あたりの印刷コストを抑えることが可能です。また、互換インクも各社から販売されており、IP11Aタイプで純正の約半額、IP11Bタイプで純正の約3.5割程度の価格で購入できるとされています。ただし、互換インクの使用はプリンターの保証に影響を及ぼす可能性があるため、導入の際は注意が必要です。
消耗品としては、クリーニング時に排出される廃インクを吸収するメンテナンスボックス「PX4MB10」の定期的な交換が必要です。また、増設カセットを使用している場合は、定期交換給紙ローラー「PX4FR4B」の交換により紙詰まりを防ぐことが推奨されます。
エプソン PX-M887Fとレーザープリンターの違いと評判の比較
PX-M887Fの導入を検討する際に多くの方が気になるのが、レーザープリンターとの違いです。両者を主要な観点から比較すると、PX-M887Fには明確な強みがあることがわかります。
| 比較項目 | PX-M887F | 一般的なA4レーザープリンター |
|---|---|---|
| 印刷速度 | カラー・モノクロ約25ipm | 同等程度 |
| ファーストプリント | 約5秒以下 | ウォームアップが必要 |
| 消費電力(TEC値) | 0.18kWh | 大幅に高い |
| 印刷コスト(カラー) | 約8.7円/枚 | 同等程度 |
| 印刷コスト(モノクロ) | 約2.7円/枚 | 同等程度 |
| 耐久性 | 30万ページ | 同等程度 |
| 動作音 | 比較的静か | やや大きい |
印刷速度については、PX-M887Fは一般的なA4レーザープリンターと同等以上の性能を発揮します。消費電力については、PX-M887FのHeat-Free Technologyが熱を使わないため圧倒的に有利です。レーザープリンターは定着器の加熱に大きな電力を必要としますが、PX-M887Fは印刷時もスタンバイ時も消費電力が少なく済みます。
印刷品質については、最大4,800×1,200dpiの高解像度に対応し、ビジネス文書の印刷に十分な品質を備えています。耐久性についても30万ページはビジネス向けレーザープリンターと同等の水準です。
メンテナンス性については、インクジェットプリンターは定期的なヘッドクリーニングが必要になる場合がありますが、PX-M887Fは自動ドット抜け検知・補正機能を備えているため手間を最小限に抑えることができます。騒音面では、インクジェット方式のためレーザープリンターよりも動作音が静かな傾向があり、オフィスの静粛性を重視する場合にもメリットがあります。
エプソン PX-M887Fの省エネ性能と環境への配慮についての評判
PX-M887Fは、環境への配慮という面でも優れた評判を得ています。Heat-Free Technologyによりインクの吐出に熱を使用しないため、TEC値0.18kWhという極めて低い消費電力を達成しています。
この省エネ性能は電気代の削減に直結するだけでなく、企業のCSR活動や脱炭素社会に向けた取り組みにも貢献します。オフィスの環境負荷を低減したい企業にとって、PX-M887Fの省エネ性能は製品選定における重要な評価ポイントとなっています。
エプソン PX-M887Fの導入に適した環境と注意点
PX-M887Fは、中小規模のオフィスでプリント・コピー・スキャン・FAXの機能を1台で済ませたい場合に最適です。複数の機器を設置するスペースやコストを節約できます。印刷量が月に数百枚から数千枚程度のオフィスに向いており、大容量給紙オプションを活用すれば用紙補充の頻度も減らせます。
対応OS環境も幅広く、Windows 11からWindows XP(SP3以降)まで、さらにWindows Server 2022から2003(SP2以降)までのサーバーOSにも対応しています。Mac環境ではmacOS(OS X 10.9.5以降)に対応しているため、WindowsとMacが混在するオフィスでも1台のプリンターを共有できます。
導入時の注意点としては、本体サイズが425×535×357mm(収納時)で重量が約17.1kgであるため、一般的なオフィスデスクの上に設置できるサイズですが、増設カセットを装着する場合は高さが増すため設置場所の確認が必要です。初期費用は本体価格が約4万円台から5万円前後であり、同クラスのレーザー複合機と比較しても手頃ですが、インクパックの初期導入コストも考慮に入れる必要があります。
長期間使用しない場合には、インクジェットプリンターの特性上ノズルの目詰まりが発生する可能性があります。定期的に印刷を行うか、プリンターの電源を入れたままにしておくことで自動メンテナンス機能が働き、目詰まりを予防できます。また、管理者パスワードの初期値は製品本体に貼られているラベルに記載されているため、セキュリティの観点から導入時にパスワードを変更することが推奨されます。
保証とサポートについては、エプソンの公式サイトから修理・保守・導入支援に関する情報を確認できます。ビジネス用途の場合は、エプソンの保守サービスの契約も検討する価値があります。
エプソン PX-M887Fの評判まとめと総合評価
エプソン PX-M887Fは、PrecisionCoreプリントヘッドとHeat-Free Technologyを搭載した高性能なA4カラービジネスインクジェット複合機として、総合的に高い評判を得ている製品です。カラー・モノクロ約25ipmの高速印刷、約5秒以下のファーストプリントタイム、TEC値0.18kWhの省エネ性能、30万ページの耐久性は、いずれもビジネス用途として大きな魅力です。
口コミでは、印刷速度の速さ、印刷品質の高さ、4.3インチタッチパネルによる操作性の良さが特に評価されています。直感的な操作が可能であり、プリンターの操作に不慣れなスタッフでも簡単に使用できるという声も多く見られます。
一方で、純正インク代の高さに対する不満は一定数存在します。この課題については、大容量インクパックIP11Bの活用やランニングコストの工夫により、総合的なコストパフォーマンスを高めることが可能です。また、連続で大量の印刷を行った場合に速度が低下する可能性も指摘されていますが、一般的なオフィスでの使用頻度においては問題になるケースは少ないと考えられます。
ビジネス向けの複合機の導入を検討している方にとって、エプソン PX-M887Fは有力な候補のひとつです。レーザープリンターからの置き換えを検討している企業にとっても、省エネ性能や印刷速度の面で十分に検討に値する1台といえます。








