- UPDATED
- 2026.10.01
- 読了
- 12 min
Geminiで作ったNano Bananaの画像から✦マークが外れたのは、Googleが2026年8月14日に「メディアの透かし」という設定を追加したからです。Googleが透かしを全廃したわけではありません。表示するかどうかを、ユーザーが自分で選べるようになりました。設定が反映されるのは新しく作る画像からで、過去に作った画像は変わりません。
ただし、Ultra契約者とGoogle AI Studioでは、2025年11月のNano Banana Pro登場時から、可視の透かしは付かない運用でした。つまり「いつから」の答えは、使っているプランで2つに分かれます。
ナノバナナの画像で✦を見かけなくなって、不具合かと戸惑った方もいるでしょう。ここでは、設定が入った日付、Googleが選べるようにした理由、オフにしても残る目に見えない印、国による違い、そして使うときの線引きを順番に整理します。基準日は2026年10月1日です。

ナノバナナはLMArenaのコードネームから広まったGeminiの画像機能です
ナノバナナ(Nano Banana)は、Googleの生成AIであるGeminiの、画像生成と画像編集を担う機能の通称です。もとは、画像生成モデルを匿名で比べる評価サイトのLMArenaに、正体を伏せて出てきたときのコードネーム「nano-banana」でした。その後、Gemini 2.5 Flash Imageの呼び名として定着しています。名前の由来は、Googleの公式ポッドキャスト「Made by Google」の回でも語られました。
2025年11月20日には、上位版のNano Banana Proが登場しています。報道では、Nano Banana Proの出力にはすべてSynthIDが埋め込まれると説明されています。ナノバナナの画像には、以前から目に見える印と目に見えない印の2種類が組み込まれていたわけです。この記事で扱うのは、そのうち目に見える側、画像の隅に出るスパークル(✦)のマークです。
ナノバナナの✦マークは2026年8月14日からオフにできます

結論として、可視ウォーターマークの表示切り替えは、2026年8月14日の発表で全ユーザー向けに用意されました。TechCrunchは同日付で、Googleが可視ウォーターマークの削除を認める、という趣旨の記事を出しています。
発表したのは、GoogleでGeminiを担当するVPのJosh Woodward氏です。X上で、GeminiとFlowで可視ウォーターマークのオンとオフを切り替えられること、次はGoogle検索に広げることを説明しました。
設定の場所は「メディアの透かし」
設定は、Geminiの設定画面にある「メディアの透かし」(英語表示ではMedia Watermark)です。日本語の表示でも同じ名称で並んでいます。この項目のスイッチをオフにすると、以後に生成する画像へ✦が付きません。
対象は画像だけでなく動画と音楽
切り替えの対象は画像だけではありません。次の表のとおり、3つのモデルの出力がまとめて対象になっています。
| モデル | 生成物 | 設定の対象 |
|---|---|---|
| Nano Banana | 画像 | 対象 |
| Gemini Omni | 動画 | 対象 |
| Lyria | 音楽 | 対象 |
使える場所は、Geminiアプリと動画ツールのFlowです。Google検索への対応は、Woodward氏が「次」と予告しているだけで、具体的な日付は確認できていません。
一般ユーザーは2026年8月以降、Ultra契約者とAI Studioは2025年11月から

「いつから」という問いには、2つの日付があります。普段使いの無料ユーザーやGoogle AI Proの契約者にとっては2026年8月14日以降、Ultra契約者とAI Studio利用者にとっては2025年11月ごろからです。
2025年11月に決まったプラン別の運用
2025年11月20日にNano Banana Proが登場しました。4Kクラスの高解像度の画像を作れるモデルです。Googleはこのとき、可視のスパークル透かしを、無料ユーザーとGoogle AI Proの契約者の画像には付け、Google AI Ultraの契約者とGoogle AI Studio内の生成では外す方針を示しました。報道では、プロの制作現場にはクリーンなキャンバスが要る、という理由が添えられています。
この時期、透かしが付くかどうかはモデルでは決まらず、アカウントのプランで決まっていました。同じ依頼を出しても、一般向けのアプリで作れば✦が入り、AI Studioで作れば入りません。月額19.99ドルのAI Ultraに入れば可視ウォーターマークが外れる点を、プレミアム契約者だけが透かしを消せる仕組みだと批判的に書いた報道もありました。
2026年8月14日に誰でも切り替えられるようになった
2026年8月14日から、設定はバッチ方式で順次展開されました。報道によれば、展開は数日かけて進み、無料版でも使えます。Pro限定でもUltra限定でもない、という説明が複数の媒体に載っています。
段階的な展開なので、自分のアカウントに設定項目が出るタイミングには差があります。8月14日の当日に全員へ届いたわけではありません。
プラン別に見た可視ウォーターマークの扱い
ここまでの流れを、時期とプランで並べ直します。
| 時期 | 無料・Google AI Pro | Google AI Ultra・AI Studio |
|---|---|---|
| 2025年11月(Nano Banana Pro登場) | 可視の✦が付く | 可視の✦は付かない |
| 2026年8月14日以降 | 設定でオンとオフを選べる | 以前から付かない |
表の2行目、無料・Google AI Proの列が、今回の変更で動いた部分です。無料ユーザーとGoogle AI Proの契約者は、これまで自分では外せなかった✦を、設定ひとつで外せるようになりました。右側のUltra契約者とAI Studio利用者は、この変更で扱いが変わったわけではありません。そのため、「✦が外れた」という実感を持つのは、主に左側のユーザーです。
Googleが透かしを選べるようにした理由はクリエイターの自由度
Googleが説明した狙いは、クリエイターが生成物をどう使うかを、もっと自由に決められるようにすることです。報道は、ユーザーの創作の自由と、デジタル来歴の安全性とのバランスを取る変更だと伝えています。
見えない印を残すから透明性は保てるという立場
Woodward氏は、来歴の面で後退ではないという立場です。報じられた発言の趣旨は、可視のウォーターマークは任意になるが、見えないSynthIDウォーターマークとC2PAメタデータは透明性のために引き続き使う、というものでした。
Googleは線を引き直しました。人の目に見える印は選択制にして、機械が検証できる印は常に維持します。見た目の✦を残すか外すかは使う人に任せて、出どころの確認に使う仕組みは手放していません。
この線引きを、私は次のように読んでいます。可視の✦は、トリミングひとつで外せる、3種類の印のなかで最も弱いものです。一方のSynthIDは、トリミングやフィルター、非可逆圧縮をかけても残るように作られています。守る力の弱い印は使う人に預け、守る力の強い印は手元に残しました。理由の説明としては筋が通っていますし、選べるようになったこと自体は、悪くない判断だと感じます。ただし、見えない印を見られるのは今のところGoogleのツールが中心で、一般の読者が画像を見てAI生成だと見分けられる手段は、✦が外れた分だけ減りました。
実務では✦が邪魔になる場面があった
画像の隅に✦が入っていると、SNSの投稿画像、ブログのアイキャッチ、プレゼン資料、商品画像の下書きで、そのままでは使いにくい場面があります。これまでは、トリミングするか、別のツールで消す人が多かったはずです。今回の設定で、後加工なしにクリーンなファイルがGeminiからそのまま出てきます。
Ultra契約者とAI Studioで先に透かしを外していたことを考えると、Googleも業務で使う成果物に可視の透かしが邪魔になることは分かっていたのでしょう。それを全ユーザーに広げたのが今回の変更です。
要望の数など、理由を裏づける数字は確認できていません
Googleが「ユーザーからの要望が多かった」と、具体的な数字つきで説明したのかどうかは、確認できた報道の範囲では分かりませんでした。なので、要望の多さが理由だったとは書きません。公式の説明として確認できたのは、クリエイターの自由度と、見えない印は維持するという2点です。
オフにしても残るのはSynthIDとC2PAの2つです

オフにできるのは、目に見える✦だけです。ここを取り違えると、後で困ります。
| 印の種類 | 見た目で分かるか | オフにした後 |
|---|---|---|
| 可視ウォーターマーク(✦) | 見える | 外れる |
| SynthID | 見えない | 残る |
| C2PA(Content Credentials) | 見えない | 残る |
SynthIDは、画像のピクセルのパターンなどに埋め込まれる、人の目には見えないデジタル透かしです。報道では、トリミングやフィルター、非可逆圧縮をかけても残るように作られていると説明されています。Googleは、Geminiが生成するすべての画像にSynthIDが入ると説明しています。
C2PAは、作成や編集の履歴をデジタル署名つきで記録する来歴情報の規格で、メタデータとして画像に残ります。
SynthIDの検出は、Googleのツールでしかできないと報じられています。TechRadarは、Geminiアプリに画像を見せて、AIで作られたものかどうかを尋ねられるようになったと伝えました。見た目の✦がなくても、Geminiで作られた画像かどうかをGoogleの側で確かめられる仕組みが、いまも動いています。
可視ウォーターマークを後から外すツールをうたうサービスもあります。ただ、SynthIDまで除去できると裏づけられる情報は、今回の調査では得られていません。除去できるかのような宣伝を、そのまま信じないほうが安全です。
EUと韓国では設定が使えません
この設定は、すべての国で同じように使えるわけではありません。法律で可視ウォーターマークの表示が義務づけられている国では、設定そのものが使えません。日本語の報道では、設定項目が表示されない、と説明されています。
地域の扱いは、報道によって説明が少しずつ違います。確認できた範囲を次の表にまとめます。
| 報じられた内容 | 対象の国・地域 |
|---|---|
| ディープフェイクに当たる内容に可視ウォーターマークが求められるため、オプションが使えない | EU、韓国 |
| 有料のAI Ultra契約者のみ切り替えられ、それ以外は可視ウォーターマークが残る | インド、韓国、ベトナム |
Googleは、対象となる国と地域の完全な一覧を公開していない、と書く日本語の報道もあります。居住地によっては、スイッチが出ない場合があるわけです。日本では、2026年8月の時点で展開が確認されていて、当初はWEB版のGeminiアプリでの提供と報じられました。スマホアプリへの展開時期は、確認できていません。
Geminiでの設定手順は4ステップで、反映は新しい生成から
手順は短く、4つの操作で終わります。まずGeminiアプリのWEB版を開き、設定を開きます。次に「メディアの透かし」の項目を探し、横にあるスイッチを押してオフにします。以上です。
気をつける点が3つあります。1つ目は、設定が反映されるのはこれから作る画像だけという点です。すでに生成した画像から、後で✦が外れることはありません。2つ目は、項目が見つからない場合です。段階的な展開なので、アカウントごとに反映が遅れている可能性があります。3つ目は、スイッチはいつでも戻せることです。オフにしたら二度と戻せない、というものではありません。
透かしを外した画像を使うときはAI生成を隠さないこと
✦をオフにできることと、何に使ってもよいことは別の話です。ブログに載せる画像で線を引くなら、AIで作った事実を隠さない、という一点です。
可視の印を外しても、SynthIDとC2PAは残ります。プラットフォーム側の判定や検証ツールで、AI生成だと分かる場合があります。実写や実在の出来事に見せかける使い方は、トラブルのもとです。実在の人物や出来事を装った画像は、誤情報として広がるおそれもあります。今回の変更には、AIの粗製乱造コンテンツ(スロップ)が増えるという懸念を示した記事もありました。
掲載先の規約も見ておきましょう。SNSや広告媒体、ストックサービスには、AI生成物の表示を求める独自のルールがある場合があります。可視ウォーターマークの有無にかかわらず、利用先の規約が優先されます。
商用利用や著作権の条件は、サービスや時期で変わります。商用で使う前に、Google公式の最新の利用規約を確かめてください。この記事では、商用利用の条件の詳細までは扱っていません。
設定を触っていないのに✦がない場合に考えられる3つの原因
「ナノバナナの画像から✦が外れた」と感じる方の中には、今回の設定とは別の理由が混ざっていることがあります。
1つ目は、もともと可視ウォーターマークが付かない環境で作っている場合です。AI Studioや、Ultraの契約がこれに当たります。2つ目は、段階的な展開で自分のアカウントにすでに設定が入り、「メディアの透かし」がオフになっている場合です。3つ目は、Nano Banana以外のモデルで生成している場合です。
心当たりがないのに✦がなければ、まず設定の「メディアの透かし」の状態を見てください。切り分けは、それが一番確実です。
2025年3月の透かし除去騒動とは別の話です
可視ウォーターマークは、AI生成物かどうかを人がひと目で分かるようにするために導入されてきました。ただ、画像の隅の小さなマークは、トリミングで外されることが多く、限界がありました。報道でも、可視のバッジはGoogleが画像に付ける3種類の印のうち、いちばん薄いものだと表現されています。強いのはSynthIDとC2PAのほうです。
2025年3月には、Googleの新しい画像生成モデルで画像のウォーターマークを消せてしまうとして、TechCrunchやGizmodo Japanが問題視しました。このとき話題になったのは、他人の写真素材などに付いた透かしを消せる点で、著作権の観点から議論になりました。今回のGeminiの✦とは、性質が違います。
ウォーターマークの除去をめぐる議論が続くなかで、Google自身が「見える透かしは選べる、見えない透かしは残す」という線を示しました。それが2026年8月の変更です。
よくある疑問への答え
過去に作った画像の✦は、あとから外せるのでしょうか。外せません。設定が反映されるのは、オフにしたあとに生成する画像だけです。
無料版でも使えるのでしょうか。使えます。報道では、Pro限定でもUltra限定でもなく、無料版も対象だと説明されています。ただし、インド、韓国、ベトナムでは、有料のAI Ultraの契約が条件になるという報道もあります。
オフにすると、AIで作った記録は残らないのでしょうか。残ります。SynthIDとC2PAは残るため、Googleの側では生成元を確認できます。
日本でも使えるのでしょうか。2026年8月の時点で、日本での展開は確認されています。当初はWEB版のGeminiアプリでの提供でした。
公式情報で確認できていない点
この記事は、TechCrunch、GIGAZINE、gihyo.jpなどの報道と、各種の解説記事をもとにしています。Googleの公式ブログやヘルプページの一次情報そのものは、直接確認していません。
確認できていないのは、次の点です。日本でのスマホアプリ版への展開時期、設定が全ユーザーに行き渡った時期、可視ウォーターマークが義務づけられる国と地域の完全な一覧、そしてGoogle検索で設定が使えるようになる時期です。
分かっていることを整理します。ナノバナナの✦は、2026年8月14日から、「メディアの透かし」でオフにできます。Ultra契約者とAI Studioでは、2025年11月から付かない運用でした。理由は、クリエイターの自由度を上げることです。SynthIDとC2PAは残ります。EUや韓国など、法律で義務づけられた地域では使えません。正確な地域の範囲は、設定画面に項目が出るかどうかで確かめるのが早いでしょう。








